時の始まり



 昨秋に至るまでの長い間、ビッグバンが宇宙創生の起源であると理解していたが、光速度不変の原理から導かれるアインシュタインの特殊相対性理論と併せてその理論の根底が揺らいできた。
 そもそもビッグバン以前にはビッグバンを誘発する背景因子と条件が蓄積された異次元の時空が存在していて、そのインフレーションエネルギーの存在がビッグバンの源泉だと想像していた。
そして、その異次元の時空の存在こそが神の領域と考えるしか仕方がないほど自身の想像力を超越していた。
 現在、膨張し続けている宇宙空間を特殊相対性理論では膨張空間の質量が臨界質量密度に達した時点で反転収束し、膨張の真逆のスピードで収束の特異点に至った状態がビッグバン以前の超高温高密度の不安定な混沌状態とほぼ同状況ではないのかとかねがね想像していた。
すると今日までの宇宙論の基礎となるビッグバン、宇宙空間膨張、収束、ビッグバン直前の混沌状態の無限サイクルが数百億年の周期で繰り返されているのではとの推論から宇宙時間は、無限の過去と永遠の未来からなる異次元の空間概念を想定していたのである。 現在も膨張し続けている宇宙空間はやがて収縮に転じ膨張に要した時間と同時間でビッグクランチ擬き状態を繰り返す神秘を神の鼓動と想像していたのである。
その壮大なサイクルの瞬間に生成された星雲の一つに過ぎない銀河系の片隅の太陽系第三惑星として誕生した奇跡の天体、地球に命を授かった魂が人間として生まれそして絶命した時に魂は幽体離脱し、異次元の時空に戻るのではないかと想像を巡らしていたものである。
 そして、更なる疑問としてこの宇宙空間がONLY ONEの存在ではなく、無数の宇宙空間が同時に存在しているかもしれないと長年想像していたが、昨秋に最新の宇宙論としてビッグバンが無数に存在するマルチバース(ユニバース(宇宙)のユニ(単一)をマルチ(多重、多数)に置き換えた造語)の理論が真剣に研究課題となりつつあるとの記事を読んで絶句した次第である。

因みに現在、膨張している宇宙空間の誕生は約138億年前である。
地球の生誕は、約46億年前に始まり、膨張を継続している宇宙空間を”現世”と仮定するなら次のビッグバンが”来世”、1世代前のビッグバンが”前世”と考えるとあながち、宗教めいた概念や教理との接点がないとは言えないと考えている。

 我々人類の寿命なんて、壮大な宇宙時間の前にはただの”瞬き”に過ぎないことを考えると社会に増殖している諸悪の傍観者でなく、少なくとも身の回りの社会悪くらいは駆逐する努力をすべき責任までもが人間の英知に包含された使命であると提言したいのである。
我々の社会には悪が蔓延り、溢れている。 時代錯誤の社会制度改革なくして希望の成熟社会は望めない。 改革の具体策の第1歩は、無責任な使命感なきメディア、ジャーナリストの抜本的意識改革であり、再キャスティングが前提条件であり、この課題をクリアできなければ亡国へと衰退するのみである。

 先ずは、4日に公開される公益財団法人相撲協会が提案した不公平きわまりない処分案に対する評議員会の判断に対するメディアの姿勢を観察することにしたい。
 大衆芸能メディアの礼節なき報道ぶりを見るにつれ、その報道エネルギーを官邸、官僚機構の腐敗的諸問題に向けてほしいと願うのは主権者の共通認識であることをメディア各位に問いたいのである。